利用している下剤の記録と見直し
利用している下剤の記録と見直し
排便を促すための下剤に依存してしまい、本来補助的な役割に過ぎない下剤を乱用してしまうという習慣がついてしまう人がいます。
便秘の治療では、こうした下剤の乱用という習慣も治療の対象の一つとなります。
下剤に依存していると、困ったことが出てきます。一つは、だんだんと下剤が効かなくなってくることです。下剤が効果を発揮しないと余計に下剤の量を増やしてしまい、依存が強まります。
もう一つは、一つ目の原因であり、また下剤を大量に使うことの結果でもありますが、下剤に依存していると腸の働きが弱まってきます。
下剤を大量に使用する習慣の持ち主は腸が弾力性を失い、黒ずむことがあるようです。
下剤に頼らなければ排便できない状態では、腸の力が余計に弱まり、さらに下剤に依存して腸により一層のダメージを与えるという悪循環を招きます。
こうした状況を是正していくためには、まず下剤の使用状況を冷静に把握する必要があります。まず、下剤を大量に飲まなければいけなくなっている場合には量以前に下剤の種類が合っていない場合があります。
そこで、どんな下剤をどのくらいの量使用しているかということを記録し、見直すことで、改善の糸口が見つかる場合があります。
ゆっくりと下剤を減らす
他の様々なことにも当てはまりますが、「下剤を使わなければ排便できない」状態に陥っている人が「下剤が良くない」と知って、ある日突然「下剤を使うことを完全にやめてしまう」という危険な行動をとることがあります。
当然ですが、下剤なしで排便できないのであれば、いきなり完全に下剤を止めてしまうと排便もできなくなるでしょう。
排便ができなくなって苦しくなればまた下剤を使わざるを得ず、この時点で下剤の減量計画はとん挫してしまいます。
下剤を減らす時には排便が阻害されないように徐々に下剤を減らすという工夫が必要です。ただし、何もないまま下剤を減らしても排便がうまくいかなくなるだけです。
腸の本来の働きを取り戻すための食生活の改善や生活習慣の改善を同時に行っていく必要があります。
たとえば、下剤を減らしていくに従って、食事の中の肉食偏重を正す、食物繊維を増やす、発酵食品を増やす、といった食生活の改善を加えていくわけです。
また、腸を刺激するために下剤ではなく、お腹のマッサージを組み込んだり、腹筋やジョギングのような運動を組み込んでいきます。
こうすることで、本来の力を失っている腸に徐々に力を取り戻していきながら、腸を刺激する下剤を減らしていくという形になります。
気の長い話になりますが、スムースに下剤を減らしていくためにはどうしてもこうした取り組みが必要になるのです。
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