便秘の防止のために食物繊維をとる
便秘の防止のために食物繊維をとる
現代人は食物繊維が足りない、という調査結果があります。
元々日本食が野菜が少なめで、さらに外食をする機会が増えれば食物繊維が不足するのは当然の結果です。食物繊維が不足することは、便秘と密接に関係しています。
では、食物繊維を増やすことは便秘の解消につながるのか、という疑問につながってきます。便秘を解消するためには食物繊維を増やせばいいのでしょうか。
上記の疑問に対する答えは、概論としてYES、というものになります。食物繊維は増やす必要があります。ところで、この食物繊維を増やす云々の話をする前段階として、そもそも食物繊維とは何でしょうか。
この食物繊維の存在価値について、多くのことが分かってきたのはつい最近のことです。まず、普通の栄養素とは違って、小腸で吸収されません。
ただし、大腸まで達して、腸内細菌によって分解されることで長い目で見るとエネルギーとして利用されることが分かっています。
こうした性質から、消化されずに便になるということや、ほかの栄養素の吸収を遅らせるという働きが認められています。
「どんな」食物繊維をとるかにも気配りを
もう一度振り返って、便秘を解消するために食物繊維を増やす、という行動を考えてみましょう。便秘は便が出にくくなっている状態です。
ここに便の量を増やす食物繊維をどんどん増やすわけです。「詰まりそうな状態なのに便の量を増やすけどいいの?」という疑問は思い浮かびませんでしたか。それは正当な疑問です。
便通が良くない状態なのに、ただむやみに食物繊維を増やせば、便の量が増え、便が余計に固くなることがあります。また、必要以上に食物繊維をとってしまうと、栄養の吸収が悪くなる場合もあります。
玄米や野菜といった消化しにくいものは食物繊維が多いのですが、水分との兼ね合いを考えずにこうした食品を増やすと便が固くなって困ることになります。
実は、食物繊維をとったほうが良い、という背景には、食物繊維の総量の問題と食物繊維の種類の問題があります。
一般的に「食物繊維が多い」と認識されている食品に多いのは、不溶性食物繊維であり、水溶性の食物繊維は見過ごされがちです。
水溶性食物繊維は水に溶けるとゼリー状になり、便通に良い影響を与えます。食物繊維がよいからと不溶性食物繊維ばかりとっていると、便通を妨げることになりかねません。
食物繊維をたくさん摂るだけではなく、どんな食物繊維をとっているかということも考える必要があります。
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